バブルの教訓は生かされないのか

2011.09.30

前回のバブル発生と崩壊は、当時の日銀総裁の金融政策の誤りと見る向きもあったが、私は当を得ていないと思う。バブル発生前後の金利は高水準だった。当時の興銀や長銀など長期債券発行銀行が扱うワリコーなど一年物の割引債の利回りは七パーセント、利付債など五年物の利回りは七・二パーセント前後であった。不動産の収支はその物件の受取家賃から借入金の支払金利を差し引いたものになる。いまと違って当時は金利の水準が高かったため家賃収入との利ザヤがマイナスの物件が多かった。資産家や高額所得者は高い金利で借金をし、運用で赤字になる賃貸用不動産を買っていた。不動産が値上がりしていたため、給与所得と賃貸不動産事業の損失とを通算できる税制を利用し、高い所得税を払うよりも、値上がりして現在は損でも、将来は含み益が増えるであろう不動産を買って、所得税や相続税を節税しようとした人が多かったからである。当時は、不動産を利用した節税対策本が書店に並んでいた。

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