「えっ!そんなものまで私が払うの?」依頼主の奥さんが思わずもらした言葉です。設計が完了したので、見積書を見せながら仮設工事の部分を説明したところ、共通仮設工事という項目の中に借地費、警備費、仮設建物損料といった頼んだ覚えのない費用があると言うのです。「それはそうですよ。あなたの家を建てるためにかかる費用はすべてあなたが出すべきであって、ほかに誰も出してくれる人はいないんですよ」こうしたことはよくあることなので、見積書について少し説明をしておきましょう。
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一般に見積書の項目は、共通仮設工事費、建築工事費、電気設備工事費、給排水衛生工事費、空調工事費、外構工事費、経費などに大きく分類されています。そして各工事費はさらに細かく分かれており、建築工事費で言えば、土工事、コンクリート工事、木工事、金属工事、建具工事、タイル工事などに分けて金額が記入されています。これらは一般の人が見ただけで内容を想像できるものもありますが、ちょっとわかりにくいものもあります。たとえば、共通仮設工事です。今回の依頼の内容はこうでした。「100平方メートルの敷地に鉄骨3階建ての住宅を建ててはしいんだけど、周囲は50センチ程度残すだけで、できるだけ敷地いっぱいに建ててほしい」これでは、敷地内に足場が建てられるかどうかという厳しい条件で工事をしなければなりません。そこで、借地費や警備費が必要になってくるのです。借地費というのは、敷地内に足場が建てられないので隣地を使わせてもらう、また工事用の車や資材の置き場がないので、駐車場や資材置き場を借りる場合の地代のことです。警備費というのは、この敷地は交通頻繁な幹線道路に面しているので、車の出入りで事故を起こさぬよう、近隣や通行人の安全のために警備員を雇うための人件費のことです。仮設建物損料というのは現場事務所の費用のことです。小規模な木造住宅や敷地が広い場合、また施工業者の事務所が近い場合はこうした費用はまったくかからないこともあります。