バブル前に比べると、いま、不動産の価格はたしかに下がっている。しかし、それは不動産業者の企業努力によって、成し遂げられたものではない。ただたんに、土地の価格と建築費の下落によって、製造原価が半分になっているにすぎない。販管費とサービスのコストは、なんの変化もないのである。不動産業者が努力すべきなのは、じつはこの販管費とサービスのコストにほかならない。これを企業努力によって引き下げてこそ、企業や社員の質量があがった、といえるのである。
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それをしないで、土地と建築費の値下がりという経済環境の変化にだけ頼って、不動産物件の価格は下がったのだ。ここに、経営者としての努力などは微塵もみられない。それは、甘えである。もちろん、甘えのなかからは、なにも生まれない。豊かさというのは、一人ひとりの人間の経済行為に見合った分だけ手にはいるものなのだ。満足な経済活動をしていない人間に、豊かさが手にはいるわけがない。厳しいように思われるかもしれないが、これが経済活動の本質である。企業経営の本質である。ここを踏み外して、ただ、コンピュータや社員の教育に投資していれば、利益があがるなどと考えるのは、はなはだしい勘違いなのだ。